生理に関する基礎知識!月経による痛みや心の変化… 病気との関係も?

思春期から更年期に至るまで、女性は月経(生理)に関する様々な変化、トラブルに遭遇します。
何かと面倒に感じられて、思い悩むことも多いはず。
しかし正しい知識さえあれば、煩わしさや健康上の悩みについては、その多くを予防・改善できます。
また、月経はあなたの健康状態を知るバロメーター(指標)としても機能します。
心身に異常はないか、病気のサインが潜んでいないか、チェックするための基礎知識を身につけましょう。
自分の「体と心」をより深く理解し、上手にコントロールするために…
以下、必要な情報を解説していきます。

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月経(生理)について
月経に関する基礎知識
月経の期間や周期、量は「個人差が大きい」ということをまず覚えておきましょう。
心身の変化についても同様で、生理前のイライラ、腹痛など、治療が必要な人もいれば、全くといっていいほど症状のない方もいます。
個人差や諸症状は必ずしも不妊や病気に影響するものではないので、心配しすぎないようにしましょう。
平均的な月経の「周期」は25~38日程度。
ここでいう「周期」は、月経初日から次の月経が始まる前日までの日数を指します。
周期は毎月変化するのが普通で、精神状態(ストレス)、体調などから大きな影響を受けます。
1週間程度の変化なら特に気にする必要はありません。月経の「期間」は3日~1週間程度。平均値は4.6日だといわれています。
「周期」も「期間」も「量」も、ホルモンのバランスに大きく左右されます。
そしてホルモンの分泌量は、年齢、心身の健康状態によって変化します。
月経は非常にデリケートで、ちょっした体調の変化やストレスに影響され、不安定になったり、一時的に止まったりします。
繰り返しになりますが、多少の変化については、特に心配する必要はありません。
もし、なんらかの異常を感じて受診する場合は、普段の周期、期間、月経量、そして最後の月経はいつか、痛みはあるのかなど、医師にはできるだけ具体的な情報を伝えるようにしましょう。
月経不順
月経の周期が乱れることを「月経不順」といいます。
必ずしも病気だということはなく、ストレス、過度なダイエット、激しい運動など、全て原因として考えられます。
また、思春期はまだ卵巣の機能が未成熟なので、月経の周期は不安定になりがち。
したがって、18歳ごろまでに起こる月経不順については、特に心配する必要はありません。
最も一般的な要因としては「環境変化によるストレス」が挙げられます。
入学、就職、結婚など、人生の節目となるような時期に月経不順が起こりやすいわけですね。
さらには、失恋や疲労、新しい仕事を任されたことによるプレッシャーなど、いずれも原因として考えられます。
こうしたケースでは、ストレスや疲れを解消することで、月経がもとの周期に戻る場合が少なくありません。
治療が必要だとは限らないので、しばらく「様子を見る」くらいの気持ちでゆったり構えてください。
ただし、2~3ヶ月と間隔が開くようなら、医療機関を受診し、医師の判断を仰いでください。
体質として不規則になりがちな方も多いのですが、そのことがただちに「不妊症」など妊娠に影響することはありません。
ただ、排卵が不規則だと妊娠のために「セックスするタイミングが計りづらい」のは事実。
心配なのであれば医師に相談することをおすすめします。
大切なのは、不安を抱え一人で悩まないこと。その不安がストレスを呼び、また月経に影響するかもしれません。
特に健康状態に問題がなくても、定期的に検診を受け、病気の予防と不安解消に努めましょう。
月経の異常【希発月経・頻発月経・無月経】
月経の周期が39日以上と長いものを「希発月経」といいます。
必ずしも病気ではありませんが、念のため医療機関を受診することをおすすめします。
月経が止まる「無月経」を生じる可能性が高いためです。
避妊を行わずセックスした場合には、妊娠の可能性も否定できません。
無用の不安や心配を募らせないためにも、早期の受診を心がけてください。
月経の周期が短く(24日以内)繰り返されるものを「頻発月経」といいます。
ホルモンのバランスが不安定になると起こりやすく、更年期や思春期によく見られます。
希発月経と同じく、頻発月経もただちに健康の異常をあらわすものではありませんが、月経の回数とともに出血量も増えるため、中には貧血などの症状を併発する方もいます。
症状に応じ、念のために受診を検討してください。
月経が90日以上起こらない場合を「無月経」といいます。
ホルモンの分泌異常が主な要因で、甲状腺、卵巣などの病気も疑われます。
無月経の状態は生殖機能の低下を意味し、また、ホルモンの分泌量が減少することで心身に様々な悪影響が懸念されます。
いずれにしても、治療の必要なケースが多いので、速やかに医療機関を受診してください。
主な治療法としては、卵巣の機能回復やホルモンの分泌を促す「ホルモン剤」の服用が挙げられます。
発症の背景に摂食障害やストレスがある場合には、専門家によるカウンセリングが必要になることもあります。
月経の量や出血について
周期と同じく、月経の「量」も変化することがあります。
通常、一度に排泄される月経の量は20~140mlくらい。
正確に分量を把握することは困難ですから、普段と比べて多いか・少ないかを判断します。
著しく月経量が多いことを「過多月経」、少ないことを「過少月経」といいます。
過多月経については、子宮内膜症や筋腫など、病気の可能性が疑われます。
過少月経は更年期など加齢によって起こるものが大半ですが、同じく病気の可能性も完全には否定できません。
いずれの場合も、症状が長く続くようなら念のために医療機関を受診してください。
月経の周期に関係なく起こる出血を「不正出血」といいます。
女性なら誰もが一度は経験するもので、主な原因としては物理的な刺激、ホルモンバランスの乱れ(過労やストレス)、妊娠に伴う症状が挙げられます。
必ずしも危険なものではありませんが、痛みを感じる場合などは早急に受診してください。
生理痛(月経困難症)
生理痛(月経困難症)とは
生理の時期には、下腹部に張りなどの「違和感」、「腹痛」を感じる方が少なくありません。
症状の程度には個人差が大きく、日常生活に支障をきたす場合は「月経困難症」と診断され、治療の対象となることがあります。
中には頭痛や関節痛、吐き気、発熱などを伴うケースも見られます。
特に子宮が未発達な思春期によく起こるもので、その多くは性機能の成熟により解消されます。
稀に筋腫や内膜症など子宮の病気によって引き起こされる痛みもありますが、生理痛と混同して医療機関を受診しない方も多いようです。
痛みの有無や程度に関わらず、最低でも年に一度くらいは婦人科を受診しましょう。
「我慢」はしない。鎮痛剤や低用量ピルを活用
「生理が痛い(つらい)のは仕方ない」と我慢する必要はありません。
市販の鎮痛剤や、医療機関で処方される「低用量ピル」など、上手に活用し症状を緩和しましょう。
「鎮痛剤には依存性がある」などと誤解されている方も多いのですが、市販の痛み止めにそうした副作用はありません。
正しい用法・用量さえ守れば、ごく安全に服用することができます。
低用量ピル(ホルモン剤)も同様。
低用量ピルは、月経による諸症状を改善・解消するとともに、子宮内膜症、子宮がんなど発症するリスクを軽減することでも知られています。
欧米では月経困難症の有無に関わらず服用が推奨されているほどで、その広い効能が世界的に認められています。
生理痛はストレス、過労、冷えなどによって悪化することもあります。
症状がひどい場合には安静にして、適時、鎮痛剤や低用量ピルを服用しましょう。
月経前症候群(PMS)
月経前症候群(PMS)とは
月経前2週間くらいに起こる心身の不調を「月経前症候群(PMS)」といいます。
症状には個人差が大きいのですが、腹部の痛みや不快感、便秘や下痢、手足のむくみ、頭痛、吐き気などが見られます。
精神的な変調をきたす場合も多く、イライラや憂鬱感・不安感を覚えたり、怒りっぽくなったり涙もろくなったりします。
周囲から見るとまるで性格が変わったようで、中には「別人のようになってしまう」方もいます。
通常は月経が始まると症状も治まりますが、月経困難症を併発していると生理中も似たような症状に悩まされるケースがあります。
イライラや憂鬱感・不快感は治療すべきもの
生理痛(月経困難症)と同じく、月経前症候群(PMS)も「治療すべきもの」として考えてください。
当たり前のものとして我慢せず、医師に相談し、症状の改善に努めましょう。
特にストレスを感じやすい方や神経質な性格の持ち主は、症状が重く出やすいようです。
それを自分の「人間性」や「性格」の問題として捉えるのではなく、あくまで「心身の不調」として把握し、治療に励むべきです。
月経前症候群(PMS)はホルモンバランスの変化によって引き起こされるもので、症状の多くは「低用量ピル」の服用によって改善・解消されます。
痛みには鎮痛剤、精神面の変調に対しては安定剤や抗うつ剤が処方されることもあります。
日頃の心がけとしては、十分な睡眠時間を確保する、栄養バランスに配慮する、運動や趣味でストレスを解消することなど、いずれも症状の改善・緩和に有効です。
月経によって引き起こされる諸症状は、女性にとって避けられないものです。
とはいえ、体調の変化と「上手に付き合う」姿勢を心がけ、心身を自らコントロールできるようになると、月経に関する「悩み」や「不安」の多くは、自然と解消されます。
現状、まだ日本には「我慢」している女性が多くいます。
心身の不調と向き合い、積極的に「治療」に取り組むことで、より快適で充実した毎日を手に入れましょう。
◆ 執筆・監修/マイハピ 編集部
最終更新日:2023年11月18日
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