「専業主婦になりたい」は甘え? 専業主婦のメリットとデメリット
「専業主婦になりたい!」
若い女性の間で徐々に増えているそんな意見。
現在、専業主婦の割合は約29.9パーセント。
約539万世帯です。
※共働き世帯は1,262万世帯。
年齢別にみると、専業主婦の割合は、
- 30代 … 35.1%
- 40代 … 27.3%
- 50代 … 30.1%
ちなみに、30歳未満の女性では約4割が専業主婦です。
今回は当編集部員が専業主婦を経験して分かったメリットとデメリットをご紹介します。
1995年4月 情報通信会社入社。
30歳を機に苦手だった経済分野を克服したいという思いから、ファイナンシャル・プランナーの勉強を始める。
同時期に購入したマンションの返済を8年で完済した実績を持つ。
2006年11月 卓越した専門性が求められる世界共通水準のFP資格であるCFP認定を受けると同時に、国家資格であるファイナンシャル・プランニング技能士1級を取得。
2017年10月 独立。
主に個人を相手にお金に関する相談及び提案設計業務を行っています。
個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン住宅購入のアドバイス)、企業向け相談(補助金、助成金の申請アドバイス・各種申請業務代行)の他、資産運用など上記内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行う傍ら、執筆・監修業も手掛ける。
また、個人事業主の法人化における手続きアドバイス等も行う。
新井智美オフィシャルウェブサイト
専業主婦のデメリット
① 世帯の収入が減る
専業主婦を選んだ女性は無収入。
共働き世帯よりも世帯収入は確実に減ります。
夫の収入が少ないと、一気に家計が苦しくなる場合も。
妻はお小遣いナシ、貯金ゼロ、生活費は完全に夫が頼り…
そんな「依存型の生活」に陥ってしまうリスクがあります。
そんな厳しい実態を指摘した『専業主婦は2億円損をする』という書籍も話題に。
本書で紹介されている数々の統計を見る限り、金銭面で大きな損失は避けられません。
経済的な余裕を優先するなら、共働きの方が良いでしょう。
②「甘え」や「わがまま」だという世間の厳しい評価
女性の社会進出が一般化し、「専業主婦は甘え」という意見も増えてきました。
実際には、家事や育児だって大変なのに…
そういう家事や育児などの「女性の仕事」は、世間から評価されません。
いわば「やって当たり前」だという風潮が根強く残っています。
「子なし」の主婦はもっと絶望的。
世間でありがちな偏見は、働きたくないだけの「わがまま」な女性です。
親戚やご近所さんから軽蔑されるかも…
そんなストレスや劣等感が、精神的なデメリットとして専業主婦を苦しめています。
③ 家事や子育てがつらい…
欧米では、家事は夫婦で分担するのが当たり前。
日本でも共働きなら、家事を分担する世帯が増えています。
しかし専業主婦の家庭はどうでしょうか。
「主婦の存在価値は家事・育児」
そのように考える男性がまだ少なくありません。
女性が家事や育児を「完璧にこなして当たり前」というプレッシャー。
がんばっても評価されないし、夫の無理解と非協力的な姿勢…。
この孤独に耐えられるかどうか、向き不向きはハッキリ出そうです。
④ 離婚のリスク30%を背負いながら、キャリア&スキルアップもできない
現在、日本では3組に1組の夫婦が離婚しています。
離婚後の専業主婦は、収入なし、手に職なし、職歴なしで「ないない尽くし」。
残念ながらニートと紙一重です。
長年のんびりした生活に慣れ親しんでいると…
「いまさら働きたくない」
「再就職のやる気が出ない」
そんなマインドに陥りがち。
離婚のリスクは相当高いのに…
多くの主婦がキャリア&スキルアップの機会を放棄しています。
そして離婚した途端、困窮するシングルマザーやワーキングプアに。
「専業主婦の人生設計は、3分の1の確率で破綻する」
この離婚によるリスクこそ、最も深刻なデメリットかもしれません。
⑤ 楽すぎる=暇すぎる毎日! でもお金は自由に使えない
「専業主婦は楽だから羨ましい」という人がいます。
でも「趣味なし&子なし&へそくりなし」の場合はどうでしょうか。
例えば、子育ては大変な「仕事」ですが、最大の「生きがい」でもあります。
育児の必要がない主婦は、楽な反面、毎日時間を持て余しがち。
夫の収入に頼ることになれば、(いくら時間があっても)お金は自由に使えません。
専業主婦の平均的なお小遣いは、月に数万円程度。
ちょっとした洋服代だけで消えてしまいます。
「贅沢できない=つまらない」と考えてしまう方にとっては、毎日が退屈の極み。
専業主婦としてのモチベーションを維持できないかもしれません。
専業主婦のメリット
① 好きなことにとことん時間を割ける
専業主婦は家事や育児以外の時間を、自由に使えます。
例えば、とことん趣味に打ち込んだり、毎週のように旅行したり…
時間の使い方はその人次第。
そんな有意義な時間こそ、最大のメリットといえるでしょう。
もちろん1日のんびりと、マイホームでゴロゴロするのもアリ。
主婦に向いている人は、そんな何気ない時間にも、ささやかな幸せを満喫できるでしょう。
② 圧倒的にストレスの少ない毎日
子育てや家事があるにしても、主婦のストレスは少ないです。
毎日のルーティンワークが苦にならない方なら、実に快適な日々を送れるでしょう。
でも、
「刺激がないからやる気が出ない」
「モチベーションが続かない」
そんな場合は…?
あえて「程よいストレス」のある環境に飛び込んでみるのもおすすめ。
お料理教室に通ったり、在宅で副業を始めたり…
ちょっとしたストレスが、日常のスパイスになります。
そこにあるのは、刺激やストレスまでコントロールできる理想の生活。
なんて贅沢な話でしょうか。
③ 子どもと一緒にいられる
専業主婦は、最も身近で子供の成長を見守れる立場。
育児のスペシャリストであり、母親としての欲求に忠実な存在です。
共働きの家庭では実現できない、よりアットホームな子育てと、密接な親子関係。
「子育てするなら仕事を諦めるべき」と私自身は思いません。
でも、
「もっと子どもと一緒にいたい」
「より多くの思い出を共有したい」
という気持ちを抱くお母さんは、私も含めて多いはず。
専業主婦ならそんなフラストレーションもなく、とことん育児に打ち込めます。
「子どもこそ命!」な女性にとっては、何にも代えがたいメリットではないでしょうか。
④ 世間から「羨ましい」「偉い」という評価も
専業主婦を「わがまま」「甘え」と見下す風潮がある一方で、評価する声も多いです。
例えば、夫のご両親や親せきから「女性は家庭に入るべき」と言われたら…
賛否両論あるとは思いますが、素直に従うのもアリかもしれません。
専業主婦を女性の最上のステータスと見る人々にとって、あなたは憧れの存在に。
「羨ましい」とか「良妻賢母」とか…
世間の評価は意外に昭和の時代から変わっていません。
⑤ 年金や保険料など、制度上の優遇措置を受けられる
「主婦には経済的なメリットがない」とよく言われます。
しかし実際には、年金や保険の制度上は、様々な優遇措置を受けられます。
医療上は(健康診断など)市区町村の補助制度もあります。
または、ご主人の勤務している企業によっては「家族健診」の対象に。
税制上は「配偶者控除」があって、保険料は「扶養」に入れば無料です。
中途半端に働くよりは、こうした制度を賢く利用した方がお得
経済的にもメリットは大きいかもしれません。
⑥ 再就職や資格の取得もできる
先ほど「専業主婦はキャリアアップできない」と書きました。
ただ、選択肢が全くないわけではありません。
子育てがひと段落すれば、家事の合間に勉強をして、資格を取ったりすることもできます。
実際に再就職する主婦も多いです。
最近ではインターネットを利用して、副業に励む女性も増えています。
つまり、「好きなだけ働いて、好きなだけ遊ぶ」生き方に一番近いのが専業主婦。
働きたくないときは、働かない。
働きたいときは、自分の好きな仕事に励む。
まさに理想的な生き方(ワーク・ライフ・バランス)ではないでしょうか。
⑦(夫の収入次第で)とことん贅沢な生活ができる
「夫の収入によっては…」
という条件付きですが、主婦は贅沢な日々を満喫できます。
日帰りで旅行に行ったり、友達と数千円のランチを食べたり。
統計を見ると、実際に「夫より贅沢をしている主婦」は多い模様。
(例えばランチ代の平均は夫が約700円で、妻が約1,200円)
専業主婦なんてお金持ちじゃないと無理…
と諦めるのは、あなたの誤解かもしれません。
旦那さんに相応の収入があるなら、無理に共働きをする必要はないはず。
「専業主婦は甘え」
なんて卑屈に考えず、理想のワーク・ライフ・バランスを追求してみては?
専業主婦 VS.キャリアウーマン
ここまで専業主婦のメリットとデメリットを見てきました。
結局のところ、主婦とキャリアウーマンはどちらが楽しく、充実した毎日を送れるのでしょうか。
まずは主婦のメリットとデメリットをおさらいします。
メリット
・時間的な余裕(好きなことができる)
・ストレスが少ない
・より多くの時間を子どもと過ごせる
・世間や親せきから評価される(特に高齢の世代から)
・年金や保険、税金などで優遇される
・その気になれば資格を取ったり再就職したりもできる
・夫の収入次第で贅沢も可能
デメリット
・共働きと比較して収入減
・「甘え」「わがまま」という世間の厳しい評価(特に若年層)
・家事や子育ての辛さ(やって当たり前という風潮、夫の無理解)
・離婚のリスク(キャリアを棒に振る危険性)
・暇だけどお金は自由に使えず、毎日つまらない
専業主婦に向いている人&向いていない人
高性能な家電が普及し、主婦の労力は大幅に軽減されています。
しかも少子化が進み、多くの女性が子育ての義務からも解放されている現在。
そこに「甘え」や「わがまま」を見て取るのは、一種の嫉妬かもしれません。
私は出産後に再就職しましたが…正直いまでも「主婦が羨ましい!」と思っています。
ただ、主婦には「向き不向き」があるようです。
向いている人は、
- 昔ながらの結婚や家庭に憧れている
- ルーティンワークや趣味に打ち込める
- お金の優先度(プライオリティ)が低い(経済的に恵まれているか、またはお金がなくても気に病まない)
そんな傾向があります。
一方で、向いていない人は、
- 自身の仕事やキャリアに生きがいを感じる
- のんびりした生活より刺激的な生活が楽しい
- お金の優先度が高い(贅沢をしたいという願望が強い、または経済的な余裕がない)
以上の項目に該当するケース。
専業主婦になりたい方もそうでない方も、まずは自己分析から。
自身の価値観や志向をじっくり考えてみましょう。
あなたが理想とする幸せや暮らしが、きっとその先にあるはずです。
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・執筆責任者/マイハピ編集部
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※順不同・敬称略
東京弁護士会所属(登録番号49705)。宅地建物取引士。
法律事務所や大手不動産会社、大手不動産投資顧問会社を経て独立。
IT、不動産、相続、人事労務など幅広い相談に対応している。
さまざまなメディアにおいて多数の執筆実績がある。
松浦綜合法律事務所様の公式HP
中央大学法学部卒業。
横浜市内の司法書士事務所勤務を経て、2014年に横浜で独立開業。
2018年に法人化し平塚支店を設置。
個人向けに終活サポート・相続手続・障がい者の法的支援、法人向けに企業の法務手続等幅広く取り扱っております。
特に相続案件は年間100件以上受任しています。
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加陽麻里布(かよう・まりの)です。
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1995年4月 情報通信会社入社。
30歳を機に苦手だった経済分野を克服したいという思いから、ファイナンシャル・プランナーの勉強を始める。
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2006年11月 卓越した専門性が求められる世界共通水準のFP資格であるCFP認定を受けると同時に、国家資格であるファイナンシャル・プランニング技能士1級を取得。
2017年10月 独立。
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結婚、出産、子育てをしながら、某大手生命保険会社に12年勤務
退職後、生川FP事務所を開業し、2007年2月、株式会社アスト設立
マネーライフに関する様々な分野でのコンサルタントとして活動中。
現在、家計相談などのコンサルタントの傍ら、各地でこづかいゲームをつかったワークショップをはじめ、子どもの心とお金の関係について講演、セミナーを行っている。
2015年度金融知識普及功労者として金融庁・日本銀行から表彰を受ける。
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ひとりでも多くの女性にあなたらしい人生を送ってほしいと願っています。
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宅建士でもあることから「お金と不動産の専門家」として活動。
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