ヒト幹細胞の美容液やエステは効果なし!副作用や危険性も

2023.11.18
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ヒト幹細胞の美容液やエステは効果なし!副作用や危険性も

最先端の技術「ヒト幹細胞」を利用したエステ美容液
しかしその効果については、副作用や危険性を指摘する声もあります。

私も女性向け雑誌の取材を受けた際、はっきり「効果なし」と断言しました。

今回はその理由について解説します。

マイハピ編集部2
この記事の執筆・監修マイハピ編集部
更新日:2023年11月18日

2009年に法人(株式会社ユーテック)設立
大手の広告代理店やSDGs関連企業、ITメディアとも提携し、「男女共同参画の実現」に取り組んでいます。
ひとりひとりの女性が自分らしく健康に安心して暮らせる社会の実現をめざし、調査・経験にもとづいた正しい情報を発信してまいります。
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ヒト幹細胞とは?

ヒト幹細胞とは
ヒト幹細胞は、私たち人間に生まれつき備わっている細胞の一種。

以下に挙げる3つの能力を持っています。

  • 色々な種類の細胞に変身(=多分化)できる
  • 同じ能力を持つ細胞をコピーする(=自己複製)機能を持っている
  • 分化と複製によって傷ついた細胞を「修復」する

ヒト幹細胞エステとは?

ヒト幹細胞エステとは
ヒト幹細胞の持つ「細胞の修復作用」に着目した一部の専門家は、その技術を美容に応用しています。

特に人気なのが「ヒト幹細胞エステ」。

ヒト幹細胞の持つ「美肌作用」をエステで活用しようというわけですが、その効果には疑問も残ります。

科学的に効果が認められているわけではないからです。

ヒト幹細胞培養液とは?

ヒト幹細胞培養液とは
現在では「幹細胞培養液」を含むコスメが広く市販されています。

幹細胞培養液とは、幹細胞を培養するときに分泌される培養液のこと。

200種類以上のタンパク質を含み、優れた美肌効果を期待できます。

具体的に言うと、

  • ターンオーバーの活性化
  • 美白効果
  • コラーゲンやヒアルロン酸の増殖(保湿作用
  • シワやたるみの改善(アンチエイジング作用

効果だけを見るとまさに「夢のコスメ」という感じですが、私はあえて「ほとんどの幹細胞コスメは効果なし」と辛口で指摘しています。

詳しくは後述します。

幹細胞を応用した化粧品の種類(カッコ内は人気の商品名)

美容液(プラチナソリューション、プロケアリバーサーセラムなど)

化粧水(モイストリジュビネイター、ウルチメイトローションカクテルなど)

育毛剤(Hydro Hair Essenceなど)

シャンプー(Orga Spa Shampooなど)

パックやマスク(プレミアムハイドロゲルフェイスマスクなど)

クリーム(ウルチメイトクリームステップルなど)

リキッドファンデーション(セラムファンデーションなど)

ヒト幹細胞を導入したエステ&化粧品の費用一覧

たかの友梨ビューティクリニック (エステ) 水光美肌トリートメント(8,000円)
サラダ(エステ) ヒト幹細胞培養液導入フェイシャル(9,720円)
プリマポルタ(エステ) ヒト幹細胞培養液導入コース 90分(4,980円)

エステでの費用は1回の施術が平均1万円~2万円前後となっています

美容液 15,000円~2万円前後
化粧水 1万円~15,000円前後
育毛剤 約1万円
シャンプー 5,000円~1万円前後
パックやマスク 5,000円~1万円前後
クリーム 5,000円~1万円前後
リキッドファンデーション 5,000円~1万円前後

コスメの価格は約1か月分の目安。
大手口コミサイト「アットコスメ」の平均価格です。

ヒト幹細胞を導入したコスメに安価な商品はほとんどなく、そのほとんどが「高級化粧品」として市販されています。

ヒト幹細胞エステの副作用と危険性

ヒト幹細胞エステの副作用と危険性
全国のエステサロンで徐々に普及している幹細胞を用いた施術法。

「最新技術」「科学と美容の融合」というような名目で、様々なコース・プランが提供されています。

気になるのは副作用や危険性ですが、これまでのところ健康被害の報告はないようです。

ヒト幹細胞については、厚生労働省の定める「生物由来原料基準」という規制の下、厳しいルールが適用されます。

そのため、エステや化粧品といった「医療目的外」の商品・サービスについては、ヒト由来の幹細胞は一切使用されていません。

現状、美容目的で使用が許可されているのは「幹細胞培養液」のみ。

幹細胞は含まれておらず、細胞を培養するときに分泌される液体のみが使用されています。

幹細胞培養液は元々私たち人間が生まれ持った成分を濃縮・生成したものであり、だからこそ安全性に優れています。

美容品に対する日本の安全基準は厳しすぎるくらいに厳しいので、副作用の問題はまずないと考えて良いでしょう。

副作用と危険性についての補足情報

それでもあえて危険性を挙げるとすれば、「アレルギー反応」や「刺激性」が考えられます。

幹細胞培養液は、美容の分野ではまだ実績の少ない成分。

どちらの副作用も完全に否定することはできませんが、それでも「低刺激」「アレルギー反応なし」が定説となっています。

少なくとも現状においては、炎症・かゆみ・腫れ・赤みなどの肌トラブルを引き起こすリスクは確認されていません。

ヒト幹細胞については、「がん化」の危険性が指摘されています。

海外では死亡例もあり、医療の分野でも実用の段階には至っていません。

とはいえ、美容目的で使用されている「幹細胞培養液」とは根本的に性質が異なるため、「幹細胞エステ」「幹細胞コスメ」等を危険視する必要なはないでしょう。

ヒト幹細胞の効果【否定的な意見】

ヒト幹細胞効果の否定的な意見
繰り返しになりますが、エステ&化粧品に幹細胞そのものは用いられていません。

ですから、エステやコスメの宣伝文(説明)には、「幹細胞由来」とか「幹細胞エキス」、「幹細胞抽出物」といった表記が使用されています。

検証すべきは「幹細胞培養液の効果」ということになりますが、「培養液のみでも美容効果は期待できる」と複数の研究(論文)で指摘されています。

ただ、美容関係の論文には学術的な厳密さがなく、企業によって都合よく誇張されたデータも多く含まれています。

有名な例としては、

  • コラーゲンやヒアルロン酸はサプリメントで摂取しても保湿効果がない
  • 水素水やマイナスイオンに健康改善&美容上のメリットは期待できない
  • どんな有効成分でも濃度が低いと効果なし!

以上のような事実が明らかにされているにも関わらず… 様々な美容アイテムが、法律の抜け道をかいくぐるような形で市販されています。

幹細胞培養液についても同様の疑問は残ります。
主な問題点は、

  • 美容効果を示す論文(研究)が少ない
  • 一定の効果は確認されているが、化粧品に含まれる培養液の濃度が低すぎる(化粧品には幹細胞培養液がごく微量しか使用されていない
  • エステにおいては、使用する頻度(施術回数)も問題になる(数回の通院では効果を期待できない

以上の3点。

大半のコスメ、エステサロンは以上のような問題点をクリアできていません。

ヒト幹細胞の効果【肯定的な意見】

ヒト幹細胞効果の肯定的な意見
一方で、幹細胞培養液が医療の分野で注目されているというのは事実。

最新の研究では、歯周病の治療、育毛促進、火傷(傷跡)の再生医療など、いくつかの技術が実用の段階に差しかかっています。

「美容と医療の間には10年のタイムラグがある」とよく言われます。

医療技術が確立した10年後(恐らく2030年代前半)には、ヒト幹細胞がスキンケアの分野で著しい効果をあらわす可能性も大いに考えられるでしょう。

実際に、大手の化粧品メーカーでは研究が推進されていますし、美容皮膚科では「ケミカルピーリング」の一環として、幹細胞培養液を導入するクリニックがすでに存在します。

また、「幹細胞コスメ」としてロングセラーを記録している一部の商品は、アットコスメなどの口コミサイトで満点に近い評価を獲得。

特に「プラチナソリューション」、「モイストリジュビネイター」などは、効果を絶賛する体験談が数多く掲載されています。

現状では効果の検証が十分でなく、フライング気味に市販されている成分ではありますが…

幹細胞コスメが将来性に富んだ一大ジャンルであることは間違いないでしょう。

それでもヒト幹細胞の口コミが「怪しい」「誇大広告」と言われる理由

口コミが怪しい・誇大広告と言われる理由
ヒト幹細胞を利用したコスメ&エステについては、様々な口コミが存在します。

アットコスメの口コミは概ね好意的ですが、それでも「本当に効果があるのか怪しい」、「誇大広告が多い」という感じで、否定的な口コミも少なくありません。

数年前には幹細胞エステに関する炎上騒動も起こりました。

炎上の発端は、大手エステサロンで提供されていた「幹細胞美顔トリートメント」。

実際の効果を科学的に示すことなく、「細胞レベルでアンチエイジング」、「幹細胞ケアで老化を防止」などといった広告を展開し、自治体から改善命令を受けたのです。

幹細胞の効果そのものを否定する事件ではないのですが、類似のフェイシャルメニューを提供するエステサロンは多く、中には誇大広告ギリギリのPRを行っているプランも見受けられます。

幹細胞を治療に導入している美容皮膚科、美容整形外科も同様。

詐欺まがいの広告が散見される現状では、通院するクリニック、サロン等、慎重に見きわめる必要がありそうです。

エステは全滅! 現状でおすすめできる幹細胞コスメは1つだけ

エステは全滅! 現状でおすすめできる幹細胞コスメは1つだけ
都市部を中心に、幹細胞コスメを導入するエステサロンが徐々に増えています。

しかし、その効果を科学的なデータと共に提示しているサロンは一つもありません。

私はエステサロンの公式サイトをいくつか監修していますが、クライアントには幹細胞を導入したフェイシャルメニューは全て断念するよう提言しました。

医療機関に問い合わせても十分な資料が集まらず、効果を検証できなかったためです。

市販されている化粧品についても似たような状況。
そもそもヒト幹細胞を含むコスメは一つも市販されていないので、誤解を招くようなPRは避けるべきだと思うのですが…

唯一、「幹細胞培養液」を「ヒト幹細胞から分泌される液体」として厳密に定義し、医学的に正しい知見から紹介しているのは美容液の「プラチナソリューション」のみです。

その効果についてはユーザーの体験談でも絶賛されており、現状では幹細胞培養液を含む国内単独の有名ブランドとなっています。

製造メーカーの資料をリサーチしたところ、科学的なデータもほぼ完備されていました。
それでもサンプルは不足気味ですが、医学論文の引用、統計学的に有意な臨床試験も含めて、きっちり検証されています

少なくとも2023年6月現在の段階では、ヒト幹細胞コスメを選ぶならプラチナソリューション一択。
以上のように断言して良いと思います。

ヒト幹細胞エステ&化粧品のメリットまとめ

少なくとも危険性や副作用は確認されていない(安全性は問題なし)

市販の化粧品は厳しい審査基準をクリアしている(そのため確かな品質も保証されている)

一部のコスメは口コミで絶賛されており、一定の効果を期待できる
(ただし化粧品の種類は少ない)

科学的には万能ともいえる美肌効果が確認されている
(ただし本格的な実証はこれから)

美白、保湿、シワやたるみの改善など、1つの化粧品で全ての肌トラブルをケア可能(したがってコストパフォーマンスが良い)

ヒト幹細胞エステ&化粧品のデメリットまとめ

エステにおける効果は未知数
口コミによる情報や体験談も少ない

幹細胞ケアをうたう化粧品は価格が高い(コストパフォーマンスは良いが、気軽には購入できない

実際に使用されているのは「幹細胞培養液」で、ヒト幹細胞そのものは美容成分に含まれていない
使用が認可されていない

エステやクリニックは通院の「頻度」も効果を大きく左右する
数回の通院では効果を見込めない

誇大広告ギリギリの宣伝が横行している

◆ 執筆・監修/マイハピ 編集部
最終更新日:2023年11月18日

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