手元供養で残りの遺骨はどうする?その後の置き場所や供養の種類
手元供養は「分骨」が一般的。
分骨とは、遺骨を二か所以上に分けて供養することを言います。
手元供養品の大きさは「手のひらサイズ」が主流。
例えば「ミニ仏壇」「ミニ骨壺」など、納骨できる量は限られています。
そのため手元供養のその後には、残りの遺骨も供養しなくてはなりません。
今回は残りの遺骨をどうするのか、
- 供養と分骨の方法
- 供養品の種類
- 自宅で保管する際の注意点
- 供養品の所有者が亡くなった際の対応
- 法事についての考え方
以上のような項目を見ていきます。
大手の広告代理店やSDGs関連企業、ITメディアとも提携し、「男女共同参画の実現」に取り組んでいます。
ひとりひとりの女性が自分らしく健康に安心して暮らせる社会の実現をめざし、調査・経験にもとづいた正しい情報を発信してまいります。
【主な有資格者】
・女性活躍マスター
・ファイナンシャルプランナー
・キャリアコンサルタント
・子どもの貧困専門支援員
・児童虐待防止支援アドバイザー
・心理カウンセラー
・個人情報保護士
・保育士
・美容師
・ビューティーアドバイザー
・ウエディングプランナー
・終活アドバイザー
MyHappi(マイハピ)とは?
目次
手元供養のその後。残りの遺骨はどうする?
手元供養の後に「残りの遺骨を供養する方法」としては、
- 分骨してお墓やお寺で供養する(従来の方法)
- 分骨して樹木葬や散骨による供養(最近増えている方法)
- 複数の供養品で手元供養する(お骨を加工したり家族で共有したりする)
以上のような選択肢があります。
まずは分骨の種類から見ていきます。
手元供養の詳細についてはこちら
分骨する際の供養の種類・安置する場所
手元供養のその後、残った遺骨は「分骨」する方法が主流。
分骨による供養には、以下のような種類があります。
従来のお墓に納骨する
お骨の大半を従来のお墓に入れ、残りの遺骨を自宅で供養します。
お墓の種類は、
- お寺の運営する「寺院墓地」
- 都道府県や市町村が運営する「公営墓地」
- 企業が運営する「民営墓地」
以上の3つが一般的です。
永代供養(合祀墓・共同墓)
1つのお墓を共有し、複数のお骨を埋葬します。
通常のお墓との違いは、他人の遺骨と一緒に埋葬されること。
合わせて祀(まつ)ることから「合祀」と呼ばれます。
樹木葬
自然葬の一つ。
樹木を墓標として用います。樹木葬の種類としては、
- 1つの樹木を他人と共有する「合祀」タイプ
- 1人の遺骨を専有スペースに埋葬する「個別」タイプ
- 家族で専有の埋葬スペースを共有する「区画」タイプ
などが知られています。
海洋散骨(海上散骨)
こちらも代表的な自然葬の一つ。
海上で散骨を行います。
種類としては、以下の3種類が一般的です。
個人散骨 … 家族や親族で一隻の船を貸し切り、散骨に立ち会います
合同散骨 … 乗合で(他人を含む)複数の家族が散骨を行います
委託散骨 … 遺族は散骨に立ち会わず、業者に委託します
本山納骨各宗派の本山に納骨します。
本山とは、全国のお寺を統括しているお寺のこと。
本山納骨は、手元供養の他、「墓じまい」やお墓の改葬(引っ越し)の際にも選ばれています。
納骨堂
遺骨をお寺やビルなど屋内に納骨します。
専有スペースが設けられており、お骨はロッカーや棚、仏壇、神棚などに安置されます。
納骨堂によっては、位牌や墓石などの供養品と一緒に安置することも可能です。
複数の供養品による手元供養
遺骨を骨壺やペンダント、仏壇など複数の場所(供養品)に納骨する方法。
実家に遺骨の大半を安置し、残りの遺骨を家族で共有したり、アクセサリーとして身に着けたり、様々な要望に沿った供養が可能です。
遺骨の量は日本の東西で異なる。骨壺のサイズも違う点に注意
納骨の方法は、地域の慣習によって異なります。
日本の東西で「遺骨の量」「骨壺のサイズ」も違うので、分骨する際にはご注意ください。
東日本 … 全収骨。火葬後は全てのお骨を拾い収骨します
西日本 … 部分収骨。火葬後にお骨の一部を収骨します。残った遺灰や小さなお骨は火葬場で供養(合祀)されます
※遺族の希望があれば全骨を拾うこともできます
収骨する量が異なるため、骨壺のサイズにも違いがあります。
東日本では、高さ25㎝、直径22㎝程度の骨壺が主流。
西日本では、高さ20㎝、直径18㎝程度の骨壺が一般的です。
※分骨後、「手元供養するお骨の量」に法律上の決まりや地域の慣習などはありません。
同じく「散骨する量」「お墓やお寺に納骨する量」も自由に選べます。
分骨以外の供養法は? 手元供養は「全骨を安置する」方法も
手元供養は分骨して安置する「分骨安置」が主流ですが、全てのお骨を自宅に安置することもできます。
※「全骨安置」といいます
全骨安置を選択した場合は、
「残りの遺骨をどうすればいいか」
「どのような形で分骨すべきか」
と考える必要がありません。
また、全骨安置はグリーフケアの観点も含めて、以下のような方におすすめです。
- 故人のお骨と離れ難い方
- お墓や納骨堂、散骨といった供養のスタイルに「寂しい」「故人が可哀想」といった感情を覚える方
- 分骨の決心がつくまでお骨を手元に置いておきたい方
- 供養の方法や場所について、家族で話し合う時間や考える時間が欲しい方
- 自宅に仏間など十分なスペース(置き場所)のある方
「分骨安置」と「全骨安置」で「どちらが正しい」という決まりはありません。
故人(個人)や遺族の気持ち、死生観などを勘案して納得のいく供養を選びましょう。
※赤ちゃんの供養、いわゆる「水子供養」については、お骨が少量であるため、「全骨安置」の選ばれるケースが多いようです。
赤ちゃん専用の供養品も広く市販されています
遺骨を小さくしたり加工したりする供養品の種類
「できるだけ多くのお骨を手元で供養したい」方や、「遺骨を身に着けて、故人をより身近に感じたい」という方は、「遺骨を加工する供養の方法」も検討してみましょう。
お骨を加工する方法や供養品としては以下の3種類がよく知られています。
粉骨 … お骨をパウダー状に加工します(体積が4分の1~5分の1程度になります)
お骨をより小さな骨壺や仏壇に安置できます
エターナルプレート … 400~500グラムの遺骨を手のひらサイズのプレートに加工します
プレートには印字や写真(遺影)の彫刻も可能です
ダイヤモンド … 300グラムの遺骨を0.2~1カラットのダイヤに加工します
※プレートやダイヤは、各種アクセサリー、ペンダントなどに加工して、身に着ける(持ち歩く)こともできます
納骨までの置き場所は? 手元供養の前後でお骨を保管する場合の注意点
残りの遺骨を保管する方法や場所については、法律上の定めはありません。
※ただしお骨の形が残ったままの状態で破棄・埋葬などすると違法です
残りの遺骨は、供養の方法が決まるまで自宅で保管しても問題ありません。
ただし長期間保管する場合は置き場所や環境(特に湿気)に注意。
お骨にカビが発生する恐れがあります。
お骨は気密性の高い容器に入れるか、風通しの良い場所に置くことでカビを予防できます。
※手元供養を行う場合の注意点も同様です。
気密性の低い供養品を押入れ、クローゼット、倉庫等にしまい込むのは避けましょう
残りの遺骨を自宅に置くのは良くない? 分骨や手元供養の「否定論」について
「遺骨は四十九日までに供養しなくてはならない」
「自宅に置くのは良くない」
「分骨すると故人が成仏できない」
こうした考え方は、仏教の教えに基づくものではありません。
「縁起が悪い」「伝統に反する」という意見の多くは迷信です。
※僧侶をはじめとする専門家からも否定されていますし、お釈迦様のお骨も分骨されています
もちろん、「伝統的な供養」「しきたり」「風習」を重視する姿勢も間違いではありません。
供養に関する価値観、故人に対する思いは人それぞれ違います。
残りの遺骨をどうするのか、分骨するか否かも含めて、あくまでご自身やご遺族で納得のいく形を選びましょう。
手元供養のその後に「供養品の所有者が亡くなった」場合は?
お墓と違って「継承の問題がない」と言われる手元供養。
しかし「供養品の所有者が亡くなった場合」、対応に困る例があります。
父母、祖父母などのお骨ならまだしも、遠縁の方の遺骨を自宅に置くことには、抵抗を感じる方も多いのではないでしょうか。
供養品の所有者が亡くなった場合の対処法としては、
- 亡くなった方と供養品を一緒に火葬してもらう。ただし不燃物を一緒に火葬することはできません(供養品の種類によっては、遺骨を別の物に入れ替えるなどして対応する必要があります)
- 遺骨を同じ骨壺に入れる(亡くなった方がご夫婦であった場合など)
- お墓や納骨堂など、従来の場所に納骨する
- 自然葬や散骨による供養
- 継承者が所有して、自宅で引き続き供養する
以上のような方法が考えられます。
もしもあなたが供養品の所有者であるなら、没後に供養品をどのような形で処分してほしいのか、遺言を残すか、ご家族(継承者)でよく話し合うなどしておきましょう。
手元供養と残りの遺骨に法事は必要?
手元供養に法事・法要を行うかどうかは、すべてご遺族の意向によります。
残りの遺骨についても同様で、「法事をしないと故人が成仏できない」ということはありません。
初七日や四十九日の法要だけ執り行う例もあれば、故人の誕生日、命日、ご夫婦の場合は結婚記念日など、各々の日取りや方法で冥福を祈る方もいます。
または、ご遺族の集まるタイミングでお花を供えたり、故人が生前に好きだったものを供えたりと、小規模な催事を行うのも良いかもしれません。
供養品は家族や友人の集う縁(よすが)として、一種のモニュメントとしても機能します。
法事・法要の形式にとらわれることなく、
「どうすれば故人に喜ばれるか」
「より故人らしい供養の仕方はないか」
と様々に趣向を凝らせるのも、手元供養ならではの魅力ではないでしょうか。
もちろん毎日手を合わせても良ですし、折々に語りかけたり、アクセサリーとして身に着け、
一緒に旅行に行ったりするのも手元供養のあり方です。
いずれにしても、法事や法要を「しなくてはならないこと」「最低限すべきこと」という風に
考える必要はありません。
どのような形であっても、故人に寄り添い、心からの冥福をお祈りすることができれば、その気持ちに勝るものはありません。故人もきっと喜ぶことでしょう。
手元供養と残りの遺骨。その後に必要な「分骨」「納骨」「保管」「法事」に関するまとめ
手元供養で残った遺骨は「分骨」される例が多い
分骨の方法としては、お墓やお寺に納骨する従来の方法か、納骨堂、自然葬などが挙げられる(複数の手元供養品で供養することもできる)
お骨の量は西日本と東日本で異なるため、分骨・納骨時に注意が必要
分骨せず「全骨を安置する」方法を選ぶこともできる
お骨は「粉骨」によって小さくしたり、加工して供養品にしたりすることも可能
残りの遺骨はどのような形で保管しても法律上問題ない(ただし長期間保管する場合は、湿気や置き場所に注意)
「遺骨を自宅に置くのは良くない」「成仏できない」というのは迷信
供養品の所有者が亡くなった場合に備えて、その後の供養についても考えておく必要がある
手元供養および残りの遺骨に法事が必要か否か、その判断は個人の判断や価値観による