女性の終活は困難!「おひとりさま」でも老後資金は2000万円必要

2024.05.03
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女性の終活は困難!「おひとりさま」でも老後資金は2000万円必要

女性の終活は男性より難しい」とよく言われます。
その理由は、

  • 女性の方が平均寿命が長い
    (だからより多くの老後資金が必要)
  • しかし女性は年金の支給額が少ない(男性の平均受給額は約18万円。女性は約11万円)
  • 女性は収入が低いため老後資金の準備も難しい

以上のような「統計的事実」に基づいています。
どうすれば不足する老後資金を補えるのか?

女性の厳しい現状と、今後の対策についてまとめました。

おひとりさま」の老後を「お金の話」から考えていきます。

マイハピ編集部2
この記事の執筆・監修マイハピ編集部
更新日:2024年5月3日

2009年に法人(株式会社ユーテック)設立
大手の広告代理店やSDGs関連企業、ITメディアとも提携し、「男女共同参画の実現」に取り組んでいます。
ひとりひとりの女性が自分らしく健康に安心して暮らせる社会の実現をめざし、調査・経験にもとづいた正しい情報を発信してまいります。
主な有資格者
・女性活躍マスター
・ファイナンシャルプランナー
・キャリアコンサルタント
・子どもの貧困専門支援員
・児童虐待防止支援アドバイザー
・心理カウンセラー
・個人情報保護士
・保育士
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・終活アドバイザー
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老後に必要な資金はいくら?【試算の一覧】

老後に必要な資金については、様々な試算が提示されています。

2000万円(金融審議会 市場ワーキング・グループの報告書)
※ いわゆる「2000万円問題」の原因となった資料

1500万円~3000万円(金融庁による2019年4月の試算)

2400万円~4800万円(東京大学高齢社会総合研究機構)

3500万円(生命保険文化センター「生活保障に関する調査」)

1200万円(退職金を2500万円と仮定した場合。ポータルサイトAll Aboutより)
参考:https://allabout.co.jp/gm/gc/43923/

3500万円~4500万円(オンラインマガジンPRESIDENT Onlineより)
参考:https://president.jp/articles/-/10268

※上記はいずれも「夫婦二人」世帯を想定した金額

ただし老後資金について正確な試算は不可能

専門家によって統計データや試算が慎重に検討・分析されている老後資金。

しかし、試算はあくまで一例(モデルケース)です。
原理的には誰も「正確な金額」を算出することができません。
今後の「不確定要素」と「個人差」が大き過ぎるためです。

不確定要素

  • 年金の減額をはじめとする制度変更の可能性
  • 賃金や物価の変動
  • 大規模な災害や経済不況による突発的なコストの発生

個人差

  • 持病の有無や健康寿命の違い(介護や医療の費用差)
  • 生涯賃金や退職金の多寡
  • 「ゆとりある生活」と「最低限の生活」のどちらを目指すのか(生活水準の違い)
  • 既婚者か「おひとりさま」か
  • 子どもや家族からの支援の有無
  • 持ち家やローンの有無

などなど、様々な要素が複雑に絡み合って「老後に必要な資金」は増減します。

「自分の老後にいくら必要なのか」は、各個人に千差万別の答え(予想)があって当然。

すなわち、あなた自身があなたの経済状況に応じて、独自に試算する他ありません。

以上の点を踏まえたうえで、
「それでもいくら老後資金があれば安心なのか」
目安となる金額を探っていきます。

おひとりさまの老後は「試算額の半分あれば良い」は間違い

金融庁の報告書に端を発した「老後2000万円不足」問題。

この金額もまた、「平均的な老夫婦の一例」に過ぎません。
こうした試算はあくまで参考程度に受け止めましょう。
ご自身に必要な老後資金は、より厳密に各々で精査する必要があります。

現状よくある間違いとして、以下のような誤解が広がっています。

老後2000万円あれば、とりあえず年金だけで暮らしていける
(逆に2000万円の貯蓄がなければ生活できない)

2000万円あれば老後に「過不足のない普通の暮らし」を営むことができる

「おひとりさま」は老後のコストが夫婦の半額なので、1000万円くらい貯めれば良い

なぜこれらの風説(ウワサ)は誤りなのか?
実際にはいくら必要なのか?

「おひとりさま」の観点からさらに検討してみましょう。

前提として年金の「受給額」は減り続ける

野党が「2000万円不足問題」の責任を追及すると、安倍首相は「マクロ経済スライド」という言葉を連呼しました。

マクロ経済スライドがあるから、年金が不足する恐れはない
だから年金制度は100年安心
現状そのような趣旨で語られている用語ですが、これは一種の詭弁(ごまかし)です。

マクロ経済スライドとは、年金の「制度」を維持するための仕組み。

簡単に言えば「物価や賃金の変動に応じて年金を増減させる」ことで、年金制度の延命を図ったものです。

しかし年金の「支給額」は維持されません。

すなわち、
分かりにくい名前にして、国民にバレないように年金を減らす仕組み
これがマクロ経済スライドの本質。

例えば、物価もしくは賃金が10%上昇したと仮定します。

するとマクロ経済スライドが発動されて、年金の受給額も5%アップしました(とここでは仮定します)。

名目上は支給額が「増額」されたので、国民の多くは「年金が増えた」と錯覚します。

しかし実のところは、物価や賃金の上昇に年金の支給額が追い付いていません。

相対的な年金の価値は、増えるどころか逆に5%「目減り」しています。

…とこのような形で、マクロ経済スライドの運用が続く限り、私たちの年金は減り続けていきます。

※実際にはもっと複雑な計算式が採用されています。
ここではざっくりとした概要をつかむため、根拠となる「財政検証」などの数字は省きました。

詳細についてはこちらをご覧ください。
https://www.mhlw.go.jp/nenkinkenshou/finance/popup1.html

「受給年齢」も引き上げられていく可能性大

年金は支給の減額と並行して「受給年齢の引き上げ」も検討されています。

主な提言や資料は下記の通り。

2012年 「社会保障・税一体改革大綱」に盛り込まれた支給開始年齢引き上げの検討(閣議決定)

2013年 支給開始年齢の70歳への引き上げを先送り(社会保障制度改革国民会議)

2017年 「高齢者」の定義を「65歳以上」から「75歳以上」へと見直す提言(日本老年学会)

2017年 年金の支給開始年齢を70歳以降に繰り下げる提言(自民党「一億総活躍推進本部」)

2017年 年金の支給開始年齢を引き上げるべきという提言(高齢化社会対策の基本的在り方等に関する検討会)

2018年 支給年齢68歳への引き上げ案を厚生労働相が否定(財政制度等審議会)

上記はあくまで、受給年齢に関する提言や検討のごく一部。
しかし、現在の年金問題を端的にあらわしています。

年金の制度を維持するためには、受給年齢を引き上げる他ない
しかし、年金制度の抜本的な見直しは有権者の反感を買う
したがって(選挙に負ける恐れがあるので)受給年齢の問題はとりあえず先送り

そのような堂々巡りが、もう数十年も続いています。

とは言え将来的な受給年齢の引き上げは、専門家の間でも意見が一致するところ。

政治の世界では消費税増税と同じく「ハバ抜き」のように扱われる年金問題ですが、いずれにしても「時間の問題」であるこは間違いなさそうです。

「老後2000万円不足」問題はむしろ「楽観的な試算」でしかない

「老後に必要な2000万円」は、あくまで現在の給付水準から算定されています。

しかし実際には、先ほど述べたように「受給の減額」「受給年齢の引き上げ」によって、「2000万円以上の老後資産が必要になる」事態はほぼ避けられません。

「2000万円の年金不足」すら甘い見通しでしかないのです。

仮に受給年齢が70歳に引き上げられた場合は…
60歳で退職すると「無年金」の期間が10年も続くことに!

老後に必要な生活費は、夫婦二人で月に平均約26万円。
無年金の10年間を何とかやり過ごすだけでも、

26万円 × 12ヵ月 × 10年間 = 3120万円

単純計算でこれほどの老後資金が必要になります。

「おひとりさま」の生活コストは夫婦の6割。しかも年金は少ない

「年金が減額されても、その分だけ簡素な生活にすれば良い」

そのように考える方も多いはず。

例えば「おひとりさま」はどうでしょうか。

単身世帯なら、生活費を「夫婦の半額以下」にまで節約できそうな気がするかもしれません。

しかし「おひとりさま」の生活費は平均で15万円程度。
「夫婦の半額以下」どころか、生活コストはより割高になる傾向があります。

さらに「女性のみ」世帯で見た場合、年金の平均受給額は約11万円。

単純計算で「おひとりさま」の生活費から受給額を差し引きすると、毎月約4万円不足します。

すなわち、

・「おひとりさま」の生活費は夫婦の約6割
・しかし年金の受給額は男性より少ないケースが多い
・平均的なケースで試算すると30年間で(4万円不足×12ヵ月×30年)=1440万円が必要

「おひとりさま」はそんな厳しい老後を迎えることになります。

「おひとりさま」はいくらあれば安心の老後を迎えられるのか

試算を見る限り、「おひとりさま」が年金のみで生活できる将来は期待できません。

加えて、今後の制度変更の可能性として、

・数十年で年金の支給額が2~3割減
・支給開始年齢が70歳前後にまで引き上げられる

この「2大リスク」にも備えておく必要があります。

仮に年金の支給額が2割減ると、「おひとりさま」の年金は月額約9万円。

平均的な生活(月15万円)を維持するためには、毎月6万円程度が不足します。
したがって先ほどと同じく30年間で試算すると、

・6万円不足×12ヵ月×30年= 2160万円

最低これだけの老後資金を準備しなくてはなりません。

ちなみに、「ゆとりある生活費」は夫婦2人で月36.6万円。(生命保険文化センターによる試算)
「おひとりさま」がその6割(22万円)で「ゆとりある老後」を実現するためには、

生活費22万円 - 年金9万円 = 13万円を毎月捻出する必要があります。

30年間で必要な額は、13万円×12ヵ月×30年= 4680万円!

しかし、「おひとりさま」の平均貯蓄額は900万円程度。
どうやら私たち庶民にとって「ゆとりある老後」は「夢のまた夢」という他なさそうです。

50代からできる「おひとりさま」の老後資金対策 = 終活による節約

現状の統計を見る限り、「おひとりさま」が「ゆとりある老後」を迎えることは難しいかもしれません。
しかし、堅実な「必要最低限の暮らし」を実現する手立てはあります。

例えば、

・様々な「終活」によって無駄なコストを省く
・60歳以降も就労を続ける
・投資で年金や退職金を運用する(ただしリスクあり)
・生活の水準を徐々に落として「質素な暮らし」に慣れておく(並行して貯蓄する)
・生活保護を受給する(最終手段)

などなど。

私は最も確実な方法として「終活ノート」による節約をおすすめしています。

【リンク】終活で医療と介護の費用を節約!終活ノートの節約効果は年100万円

月に数万円を「副業や投資で稼ぐ」ことは困難。
しかし月数万円を「節約する」ことは意外と簡単です。

特に「おひとりさま」は個人の裁量で節約できる部分が多くあるので、終活の節約効果は大。

「始めるのが早ければ早いほど得をする」
それが終活の特徴です。

50代から終活を始めるとすると、最優先すべき事項は老後資金の準備。

医療や介護、そして供養などの選択肢は、資金があってこそ始めて手に入るものです。

60歳以降も就労を続ける場合に利用できる2つの制度

「年金の支給開始年齢が70歳に」

そう遠くない将来に到来するこの「リスク」に備えて、私たちは「60歳以降の就労継続」についても検討しておく必要があります。

※「退職年齢を70歳に引き上げる」方針も政府から発表されています
【リンク】https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/201905/15miraitoushi.html

その際に利用したいのが、

・高年齢雇用継続給付(雇用保険)
・在職老齢年金(厚生年金)

以上2つの制度。
制度の概要は下記の通りです。

高年齢雇用継続給付

60歳以降「給与が下がった場合」に受け取れる給付金。
同じ事業所で勤務を継続する人、転職した人、両方が対象になります。

給付の条件は、

・60歳以降の賃金(月額)が、60歳時の75%未満
・雇用保険の加入年数が5年以上
・賃金の月額が359,899円未満
(2019年7月まで。この額は毎年8月1日に変更されます)
・60歳~65歳まで

以上の条件を満たすと、60歳以降最高で賃金の15%が支給されます。

申請や手続きはハローワークにて行います。
※通常は事業主が行うため、給付を受ける当事者は、個別に手続きをする必要はありません。

在職老齢年金

60歳以降に「働きながら受け取れる年金」が在職老齢年金。

厚生年金の一部を減額したうえで支給されます。

減額される年金の計算式は下記の通りです。
※65歳未満と65歳以上で計算式が異なります

60~64歳まで

・年金と賃金の合計額が28万円以下の場合
⇒全額支給されます

・賃金が47万円以下で年金が28万円以下の場合
⇒(賃金+年金-28万円)÷2

・賃金が47万円以下で年金が28万円超の場合
⇒賃金÷2

・賃金が47万円超で年金が28万円以下の場合
⇒(47万円+年金-28万円)÷2+(賃金-47万円)

・賃金が47万円超で年金が28万円超の場合
⇒47万円÷2+(賃金-47万円)

※賃金には賞与も含まれます
※上記の計算式はすべて「月額」に適用されます

65歳以上

65歳以上の在職老齢年金は減額の幅が縮小されます。

・年金と賃金の合計額が47万円以下の場合
⇒全額支給されます

・年金と賃金の合計額が47万円以上の場合
⇒(年金+賃金-47万円)÷2

老後資金を「投資で賄う」のは危険。終活に不向きな理由

老後の資産については、様々な「投資による運用」を検討している方も多いのではないでしょうか。

しかし投資にはリスクがつきもの。
基本的には「損をする可能性の方が高い」と考えてください。

例えば株式の場合。
個人投資家は、年間で投資額の1~2%の利益を確保するために心血を注いでいます。

仮に1000万円投資しても、上手くいって利益は年間で10万円~20万円。
アルバイトの月給と同じくらいの金額です。

しかも、貴重な資産を予測できない様々なリスクで失う恐れもあります。

現状、「消費増税」「五輪特需の終焉」を控える日本経済の先行きは不透明。

高齢化による人口減少で、不動産価格の暴落もほぼ確実視されています。

したがって、
「投資は終活から外すべき」
というのが私の結論。

少なくとも「老後の安心」を求めている方に、投資をおすすめすることはできません。

※高齢者に投資を勧める「悪質な終活セミナー」にご注意を!

「おひとりさま」の終活に最適な「生前契約」

・身寄りなしで家族の支援を期待できない
・一人暮らしだから医療や介護に関して(将来的に)第三者のサポートが欲しい
・死後に自分の供養を誰かにお願いしたい

そんな「おひとりさま」におすすめなのが生前契約。
様々な手続きや支援を専門家に委託する仕組みです。

例えば、

・入院時や手術時の立ち合い、各種手続き
・認知症になった場合の財産管理
・老人ホーム、介護施設などへ入居する際の身元保証
・介護福祉サービスを利用する際に必要な各種契約の代理
・死後に必要な供養、財産の処分、知人への連絡など

以上のようなサポートが全て生前契約の対象となります。

生前契約の依頼先は、弁護士、行政書士、NPO法人など。

個別に専門家へサポートを依頼するより、生前契約のパッケージ(プラン料金)は非常にお得です。
不測の事態に備える一つの方法として、ご利用を検討してみてはいかがでしょうか。

「おひとりさま」の老後資金対策【まとめ】

・必要な老後資金の金額ついては、様々な試算がある。一概に「いくら必要」と断言はできない

・年金制度の変更や経済情勢などの「不確定要素」、終活する当事者の「個人差」を考慮する必要あり

・「おひとりさま」の老後資金は「夫婦世帯の半額あればいい」という考え方は誤り

・今後、年金の受給額は減り、受給年齢は引き上げられていく可能性が高い

・「老後2000万円不足」という試算すら楽観的な金額。実際には「3000万円不足」という試算も

・「おひとりさま」の生活費は夫婦世帯の約6割。よって1500万~2000万円は老後資金を準備したい

・もっとも堅実な貯蓄の方法は「節約を基本とした終活」

・60歳以降も就労を続ける際には「高年齢雇用継続給付」「在職老齢年金」の制度利用を

・投資による老後資金の運用は、終活になじまない(高リスク)

・「おひとりさま」で身寄りのない方は「生前契約」も検討する価値あり

◆ 執筆・監修/マイハピ 編集部
最終更新日:2024年5月3日

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