不安や悩みの根本に親子関係が? 精神分析・心理学に学ぶ処方箋

2024.05.03
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不安や悩みの根本に親子関係が?精神分析・心理学に学ぶ処方箋

「普通の人」にとっては何気ないはずの、日常的な場面。

通勤や通学、友達とのお喋り、オシャレをする、旅行に行く、合コンや女子会に参加する(もしくはその誘いを断るとき)…

あなたが強いストレスや不安を感じているとすれば、その原因はどこにあるのでしょうか。

  • 人間関係で悩みが尽きない…
  • 主体的に行動できない…
  • 決断を先送りにしてしまう…
  • どんな誘いに対しても「嫌」だと言えない…

いま若い女性の間で、そのような人が増えています。
「生きづらさ」の原因はどこにあるのか

今回はその「病巣」を見定め、問題を解決するための糸口を一緒に探っていきましょう。

マイハピ編集部2
この記事の執筆・監修マイハピ編集部
更新日:2024年5月3日

2009年に法人(株式会社ユーテック)設立
大手の広告代理店やSDGs関連企業、ITメディアとも提携し、「男女共同参画の実現」に取り組んでいます。
ひとりひとりの女性が自分らしく健康に安心して暮らせる社会の実現をめざし、調査・経験にもとづいた正しい情報を発信してまいります。
主な有資格者
・女性活躍マスター
・ファイナンシャルプランナー
・キャリアコンサルタント
・子どもの貧困専門支援員
・児童虐待防止支援アドバイザー
・心理カウンセラー
・個人情報保護士
・保育士
・美容師
・ビューティーアドバイザー
・ウエディングプランナー
・終活アドバイザー
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歪んだ親子関係と「愛情不足」の悪影響

一生を左右する幼少期の「記憶」

人は誰しも、人間関係の基本を「親子関係」から学びます。

科学的に見ると、幼年期~少年期にかけてニューロン(脳細胞のネットワーク)が形成され、その構造が人の一生を左右することが分っています。

特に「人見知り」の傾向や「共感する能力」などは早い段階でインプットされ、生涯に渡って大きく変化することはありません。

幼少期、親にたっぷりと甘えて「愛されて育った人」は、良好な人間関係を構築する能力に長けています。

一方、親から十分な愛情を注がれることなく、「愛情不足」の家庭に育った人は、

  • 自分に「自信」を持てない
  • 親密な人間関係を築くことができない(ちょっとした人間関係に疲れてしまう)
  • 誰かを傷つけることを恐れるあまり、「八方美人」的な振る舞いが多い

といった特徴が見られます。

自分以外の「他者」に対して、「親とは違う」と頭で分ってはいても、自然に振舞うことができない…。

幼少期に親から叱られたり責められたりした「記憶」が、現在もその人に「恐怖」を感じさせているのです。
これを「感情的記憶」といいます。

「愛情不足」が招く問題点

感情的記憶を自力で払拭することは困難です。

幼少期の親子関係に起因する「嫌な思い出」は、その人の性格全般に暗い影を落とします。

例えば、

  • 自分が誰かを不機嫌にさせてしまうのではないか…
  • 傷つけてしまうのではないか…

そんな「加害恐怖」が、人間関係を阻害します。
加害恐怖に怯える人は、「会話が下手」で「一人でいることを好む」傾向にあります。

「相手を不機嫌にさせてはいけない」という意識が強過ぎて、気楽に話すことができない…

自然にお喋りもできないから、一人でいる方が楽。

心の底では友達や恋人を作りたいと切実に願っていても、誰かと一緒にいると「疲れる」から、「一人でいることを好む」わけですね。

ですから、(ごく限られた)親しい人間に対してはとても饒舌で、関係に苦痛を感じることもない…
まるで「別人」のように振舞う方も少なくないようです。

問題なのは、その関係に至るまで、

  • 普通の人より時間がかかる
  • 100人中99人の「他人」とは打ち解けることができない
  • または、親しい人間が一人もいない

そんな場合です。

加害恐怖が強過ぎるため、人間関係=社会性が満たされることなく、鬱屈した感情を抱え込んでしまう…

その感情が、さらなる「対人スキルの低下」を招く。
この悪循環を断ち切らなくてはなりません。

良好に見える親子関係にも落とし穴が

親子関係の落とし穴

愛情で子どもをコントロールする親

私の親は大丈夫!しっかり愛されて育ったし、「しつけ」もきっちりしていた…

そのように考える方も多いことでしょう。

この問題の「難しさ」は、まさに「そこ」にあります。
自分では「愛されていた」つもりでも、「愛情でコントロール」されていたのではないか?

まずはそのように「疑ってみる」ことから始めましょう。

気に入ることをすれば「愛」を与え、気に入らないことをすれば「愛」を引っ込める…

このような親のもたらす「歪(いびつ)な愛の形」は、目に見えない形で子を束縛します。

確かに周囲の人から見ると、親子関係は良好に見えるかもしれません。
一見したところは「親の言うことを素直に聞くいい子」に育つからです。

しかし、こうした愛の「歪さ」は、将来的にその子の性格や対人能力をも歪めてしまいます。

本来、愛とは「無条件に与えられるもの」でなくてはなりません。
「報酬」のように与えたり、取り上げたりするものではないのです。

親が子に対して行う愛情の「出し惜しみ」は、子どもから自信を奪います。

愛とは、
「あなたはそのままでいい」
「あなたには価値がある」
という「メッセージ」に他なりません。

本来ならそのメッセージが子どもに「安心感」をもたらし、「自信」を育みます。

しかし、一緒にいて最も安心できるはずの親から、十分な安心感を得られないとどうなるでしょうか。

「誰といても安心できない」、「自分に自信を持てない」人間になってしまう(少なくともそうした傾向が強まる)のは間違いありません。

「放任」も「過保護」も何らかの「偏り」を生む

明らかに「愛情不足」の家庭に育った場合も、密かに「愛情でコントロールされていた」場合も、問題の「根っこ」は同じです。

親子関係が歪んでいたから、現在も人間関係から「生き甲斐」や「友情」、「愛情」といった滋養を引き出せない。

それどころか逆に、人間関係に疲弊し、悩みや不安ばかりが募る…
そんな方も多いはずです。

親から「劣等感」を植えつけられ、他人と「普通」に付き合うことができない。

言い換えれば、幼少期の「感情的記憶」が、現在の人間関係(人間観)に悪影響を及ぼしているわけですね。

ここで注意したいのは、必ずしも親に「悪意」があったわけではない、という事実です。

親から見れば、愛情を引っ込めるのは「しつけ」の一環であり、「子どものため」に「教育」しているつもりなのです。

事実、周囲からは「立派な親」として評価され、子ども自身からも「良い親」として「尊敬」されているケースは珍しくないようです。

一般に親の「放任主義」は愛情の不足を招きやすく、「過保護」な親は子どもを愛情でコントロールする傾向があります。

標準的な教育方針は両者の中間に位置するわけですが、何らかの「偏り」が生じたとき、それが将来的に子どもの「悩み」として表出するケースが多いようです。

解決策は?「変化」を求めるあなたへ

変化を求めるあなたへ

悩みや不安を和らげる「気付き」の効用

「三つ子の魂百まで」という言葉があるように、私たちは親子関係(の悪影響)から完全に自由になることはできません。

幼少期から培われた価値観や人間観は、根本の部分では「一生変わらない」と指摘する研究者も多いようです。

では、親から残された「負の遺産」は、一生抱え込むしかないのでしょうか。

人間関係に疲れ、自信を持てない自分、加害恐怖に怯える自分は、それを「個性」として引き受ける他ないのでしょうか。

もし「救い」のようなものがあるとすれば、それは「気付き」です。

今の自分が直面している悩み、不安の多くは、親子関係に起因しているものだと「気付く」こと。

問題の根っこを見据えて、「そうだったのか」と理解する。そのとき「腑に落ちる」感覚を得られたのなら…

あなたは問題の解決に向けて一歩踏み出したことになります。

勘違いしないでいただきたいのは、ご両親を「恨む」必要はない、ということ。

「自分は親の教育でこのような人間になったのだ」という「事実」そのものを、自覚し、理解しさえすれば良いのです。

また、あなたが親を愛せないとしても、「普通」の親子関係を築けないとしても、それは仕方のないこと。

自分を責める必要もありません。

今までにない視点から問題の原因を探る

「カウンセリング」と呼ばれるものの多くは、「気付き」を目的に行われます。

例えば、幼少期の「トラウマ」や様々な「恐怖症」は、原因を理解する(気付く)ことで改善されるケースが少なくありません。

人は誰しも「正体の分らない不安や恐怖」を過剰に忌避します(幽霊が怖いのもそのためです)。

しかし、問題の成り立ち(メカニズム)を把握すれば、不安感や恐怖感は幾分か和らぐもの。

闇夜では幽霊に見えたものが、白日の下ではただの「かかし」だった…
なんていうのはよくある話です。

「どうすれば○○という不安を解消できるのか」と考えるのではなく、まずは「なぜ自分は○○に不安を抱くのか?」と考えてみること。

その「答え」に気付いたとき、私たちは新しい視座を手に入れ、それまでとは異なる角度から「悩み」を見据えられるようになります。

マイナスの感情を発散するための方法論

もしもあなたが今、何らかの「悩み」に直面しているのなら、親子関係を分析してみることから始めましょう。

世間には「毒親」と呼ばれるような人間が、確かに存在します。
悩みの過半は「自分のせい」ではなく「親のせい」。そのように開き直ってもOK。

マイナスの感情が鬱積しているのであれば、親と話し合う機会を持つのも良いでしょう
(それ以前に「腑に落ちる」感覚が得られたなら、必ずしも話し合う必要はありません)。

そのとき大切なのは、親を責めたり恨み言を口にしたりするのではなく、単に自分の「見解」を伝えるにとどめること。

「あなたのせいで、私は○○な人間になった」と明言します。

親御さんによっては、「そんなのは甘えだ」として言葉を退けたり、「お前のためにやった」と愛情やしつけを「口実」にして「反論」します。
あるいは、「親の気持ちが分らないのか」と叱責されることもあるでしょう。

しかし、あなたはあくまで冷静に、「それはあなた(たち)の見解で、私の見解とは異なる」という「事実」だけを伝えます。

結果、あなたはマイナスの感情を発散できるかもしれません。親子関係が変化し、新たな局面を迎えるかもしれません。

もし、親子関係が疎遠(もしくは険悪)になったとしても、おそらくそれは一時的なもの。

本当に「愛情」のある親なら、その変化も「込み」であなたを受け入れるはずです。

最後に

最後に

親の「束縛」は、残念ながら成人になっても続くことが少なくありません。

特に母娘関係においてはその傾向が強く、
「娘を手放さない親」
「いつまでも子ども扱いして劣等感を植えつける親」
「自分の理想を押し付ける親」
など、枚挙に暇がないほど。

「親のことを悪く言えない」日本だからこそ、問題は見えにくく、深刻なのです。

私たちが最終的に目指すべきゴールは、親の影響から「自由になる」こと。

「恨む」ことや「責めること」ではありません。
そのための方法は人それぞれ。「話し合う」ことに抵抗を覚えるなら、

  • 同居をやめて一人暮らしを始める(物理的に距離を置く)
  • メールや電話の機会を減らす(心理的に距離を置く)
  • 友人や恋人が持つ「多様な価値観」に触れる
  • 結婚、出産などを経て新しい「家族」を作る

という形で打開策を模索するのもおすすめ。

大切なのは現状を「そのまま」にせず、変化させること。

長い時間を要するかもしれませんが、その先には必ず今までよりも豊かな人生が待っているはずです。

◆ 執筆・監修/マイハピ 編集部
最終更新日:2024年5月3日

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